こんばんわ!介護士がんちゃんです。
現在、日本の平均寿命は世界トップクラスであり、年々平均寿命も上がってきています。そのため、両親が2人とも要介護状態になり特別養護老人ホームに入所させたい。と考える人も多いでしょう。
そこで気になるのが
「家族でも同じ特別養護老人ホームに入所することができるのか」
ということです。
今回は実際に特養で10年働いているわたしが、「同じ特別養護老人ホームに両親や親子を入所することができるのか?」を実例を基に紹介します。
【結論】同じ特別養護老人ホームに家族を2人預けることはできる!
ただし家族が同時に入所するには以下の2つの条件があります
- 要介護3以上の方(要介護1・2でも特例はあり)
- 原則65歳以上(特定疾病の方で40歳から64歳の方も可能)
この2つをクリアすれば特別養護老人ホームには入所できます。どちらかいっぽうではなく2つともクリアしなければいけません。
※施設によって違うため全ての特別養護老人ホームにという訳ではありません。
がんちゃんの10年のキャリアの中でたった4組
私の働く特別養護老人ホームでは夫婦や親子で入所されることは可能です。今までに4組の家族が同じ施設で入所されていました。
夫婦や親子が同じ場で生活をすることでメリットは?
特別養護老人ホームは家族で同時に入所することは可能ですが、「一緒に入所するメリットはあるのか?」ということも大事なポイントですよね。
1.知らない情報を多く知ることができる=より良いサービスの提供ができる
夫婦や親子の事を一番知っているのはやはり家族です。
本人にわざわざ聞かなくても入所しているご家族様から、
- 好きな食べ物
- 趣味
- 睡眠時間
- 入浴時の湯温
- 髪型の好み
- 好きな洋服
と言った細かな情報まで得ることが出来ます。
介護士目線ですが、こうした情報は本当にありがたいものです。
ご家族様同士で入所することで、入所様にもより良いサービスの提供が可能になります。
2.同じ空間にいることで安心感がある
介護施設に入所したばかりの高齢者にありがちなのが、慣れない環境のせいか
- 「寝れない」
- 「食事が喉を通らない」
- 「夜中に目が覚める」
といったことがよくあります。
高齢者でなくとも環境に順応するのには時間がかかります。
同じ施設にご家族が入所していると、家族が近くにいる安心感から「寝れない」「食べれない」といったことが少なくなります。
今まで何十年と付き添った夫婦や親子で一緒に食事を摂れることは、これまでド通り生活できますね!
3.最期も一緒に過ごすことができる
特別養護老人ホームでは「看取り介護」を行っている施設も増えてきているため、最期は一緒に過ごしたい。と考える方も同じ施設に入所することはメリットがあります。
高齢になると面会に行くことも大変であり、葬儀に行けないケースもあります。あまり喜ばしいことではないと思いますが、同じ施設にいることで最期お見送りをすることも可能です。
特別養護老人ホームではでは終の棲家(ついのすみか)とも呼ばれており、最期の最後まで介護を受ける事ができる施設が増えてきています。
4.家族も一度の面会で二人に会える
同じ特別養護老人ホームに入所させることは面会をするご家族様にもメリットがあります。
特別養護老人ホームへの面会は自宅から離れているケースが多いため、
- 交通費
- 移動時間
を考えると結構な負担になります。
もし両親が別々の施設に入所していたら・・・
考えなくても大変であることはわかりますよね。
同じ施設に入所しているのであれば一度の面会でご家族様二人に会うことができます。
多くの施設では敬老会や納涼祭を行っています。家族と一緒に食事を食べ、催し物を見学することもあります。その時には一度に二人の様子を見ることができ最近の様子も分かります。
同じ介護施設にご家族様が同時に入所することにはたくさんのメリットがあります。
入所される方も安心感があり、入所者様の家族も一度に面会ができるのは時間的にも労力的にも良いことですよね。
注意しなければいけない事もあります
施設によっては家族を一緒に入所できない事もあります。
夫婦や親子だからといって皆円満とは限りません。正直会いたくない。という方もいます。そのような事であると、
- 暴言を言ってしまう
- 精神的に落ち着かなくなる
暴力行為
というようなことも考えられるため、施設によっては受け入れが出来ないケースもあるので担当のケアマネージャーや施設に直接確認することをおすすめします。
これはそれぞれの施設の考え方によるものですので、ご参考程度に
すぐに入所することが難しい
特別養護老人ホームの待機者は多く、入所できるまでに数か月かかることも多くあります。一人が入所できてももう一人ができないという事少なくありません。
なるべく入所申し込みは早めに行うことをおすすめします。
※短期入所生活介護(ショートステイ)、デイサービス(デイサービス)を利用し顔を覚えてもらうことも大切です。
介護施設の職員は新規利用者様が入所されるとなると、正直不安になります。
サービスを利用し、職員に知ってもらう事はとても大切です。
実際に家族で特養に入所した2つの実例
実例① 夫婦で入所された方の話
私の施設の夫婦の話です。
ご夫婦とも90代であり、認知症があります。旦那様は普段寝ることが好きであり、暇さえあれば、ソファーや本人様のベッド、時には他者のベッドに寝られることもあります。
ある日、普段は顔を合わさない夫婦ですが、奥様が歩いていると、旦那様は自分のベッドから立ち上がり、スペース内を歩かれることがありました。このことから、昔は奥様に
「昼間から寝ているんじゃない」なんて事をいわれたのかな?と勝手な想像をすることがありました。昔の事はよく覚えているもので、とっさに身体が動いたのかな?と考えさせられました。
と同時に旦那様には良い刺激になったことでしょう。
普段寝ていることが多い方でも、奥様の事を見つけると、身体が自然と動き出す(現代のかかあ天下のようなことがあったのかな?)
施設の生活では中々刺激が少ないのも現状です。ボーっとしているだけでは認知症も進行し、身体を動かさなければ出来ていたことも出来なくなってしまいます。
奥様のお陰で今も歩くことが出来ているのかもしれませんね。
実例② 親子で入所された方の話
母親と娘のほっこりする話。
まず初めに入所されたのは娘さん。60歳代で知的障害のある方娘さん。入所して間もないころは母親が毎日のようにタクシーや家族の送りで面会に来られていました。
しかし、半年程経過すると毎日面会は来られず、1年もすると全くこられなくなりました。何となく高齢者なので身体の調子がよくないのかな?なんて思っていると、母親から入所申し込みがありました。入所された時には歩くことも出来ず、食事も何とか自分で食べられる状態でした。居室も一緒(4人床の隣通し)になり、母親から食事介助を行おうとすると
「○○(娘様の名前)から食べさせてあげて…」と言われました。
やはり母親はいつまで経っても母親。こんな愛情にほっこりすることがありました。
別の日には、いつも食事が進まない娘さん。何となく母親の近くお連れし、母親に「昔からご飯やおかずが好きではなかったのですか」と聞くと、首を横に振られました。
「どうしたら食べてもらえますかね?」と聞くと拘縮した手を伸ばし、娘様の手を握りながら、何かを言い出しました。言葉を理解することは出来ませんでしたが、親子に通じるものがあったのでしょう。その日ばかりは娘さんの口が良く動き、食べていることがありました。
やはり、親子のパワーや信頼関係というものは私たち介護職員にも敵わないものだと改めて感じる瞬間でした。
この親子の家族から言われた言葉…
最初の数日はお互いが気にして、生活や精神的に何かあってはいけないという理由で別々の居室になりました。しかし、面会にも毎日のように来ていたこともあり、母親は心配しているだろう・・・という介護職員の考えから同じ居室になると2人のキーパーソン(身元引受人)の方から、「同じ部屋にしてくれてありがとうございます」と涙ぐみながら話され、「母親が娘の事を心配していたので母親は今、本当に嬉しい毎日を送れていると思います」と言われました。
私たちの考えている親子関係と、家族の方が思っている親子関係というものが一致し嬉しくなったことを今でも鮮明に覚えています。
事例から分かるように、職員は利用者様の生活歴などが分かり、メリットがあります。また家族の方も一つの施設に預けることで、書類の提出や面会と大変なことも一度に終える事ができ良いことがたくさんあります。
特別養護老人ホームの入所となると、最期まで生活されることがほとんどです。そのため施設選びはとても重要なものになりますので、分からない事は担当ケアマネージャーに聞き、納得したうえで入所することをおすすめします。
介護施設によって入所条件は異なる
今回特別養護老人ホームへの家族での入所についてご紹介しましたが、介護施設は種類がたくさんあります。
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
- 介護老人保健施設
- 介護療養型医療施設
- 軽費老人ホーム
- グループホーム
- 介護付き有料老人ホーム
※本当はもっとたくさんあります。
それぞれの介護施設ごとに「家族で入所」できる条件は異なります。今回紹介したのはあくまでも「特別養護老人ホームへの家族での入所」についてですのでご注意ください。
さらにさきほども紹介したとおり、特別養護老人ホームでも家族での入所はNGの施設もありますので、ひとつひとつ確認しながら探す必要があります。
同時入所OKの介護施設の探し方
介護施設はたくさんあるため、ひとつひとつに電話をかけて確認するのは本当に大変です。
経験上ですが、電話では詳しい話はせず、
と言われることがほとんどです。
電話だけならまだしも、1件1件介護施設を回るのは効率が悪いですよね。
ではどうやって同時に入所できる施設を探すのかというと、ほとんどの方が介護施設探しのサイトを利用しています。
介護施設探しのサイトとは?
介護施設探しサイトとは
- 希望入所日
- 料金
- エリア
- 希望条件(同時入所可能か?)
といった情報を伝えるだけで自分(家族)にピッタリの介護施設を紹介してくれるサイトです。しかも無料のため、介護施設を探すほとんどの方が利用しています。
介護施設探しのサイトはたくさんありますが、がんちゃんが個人的に一番おすすめのサイトは【LIFULL介護】です。
首都圏だけでなく、地方の介護施設の情報も網羅しているので、一度相談してしまえばあとは待つだけで介護施設に入所できます。
介護施設を探すのは本当に大変です。
【LIFULL介護】を利用しながら、ストレスなく介護施設探しをすることをおすすめします。
まとめ
家族で同じ特別養護老人ホームに入所することは出来ます!
同じ施設に入所することは「介護者」「介助者」「ご家族様」みんなにメリットがあり、ストレスなく施設での生活をおくることができます。
ただし特別養護老人ホームでも「家族で入所できない」ところもありますので、気になる施設があったらまずは問合せてみることをおすすめします。
介護施設探しは1件で終わることはほとんどありません。
気になるところ、近場の施設、全部まとめて探すのであれば【LIFULL介護】を利用することをおすすめします!