こんばんわ!現役介護士がんちゃんです!
今日は介護施設の感染症についてご紹介いたします。
介護施設に入所されている方やデイサービスを利用されている方は集団生活のため感染症にかかるリスクが高いです。同様にデイサービスを利用される方もリスクが高い事を忘れてはいけません。
特に高齢者は体力や免疫力が低下しているため感染症にかかり亡くなるケースもあるため注意しなければなりません。
今回は
- 入所施設に多い感染症
- 実際に行われている対応
- デイサービスを利用される方の注意点
の3つについて紹介します。
介護施設に多い4つの感染症
介護施設では
- 血液の感染症
- 尿路感染症
- 季節的な感染症
- 皮膚の感染症
4つの代表的な感染症があります。血液感染や季節的な感染症、皮膚の感染症に関しては他の方にもうつることも事もあります。
尿路感染症は清潔を保つことで防ぐことができ、他者にうつることはありません。
1.血液感染の症状
血液の感染症で良く聞かれるものが
- HBV B型肝炎
- HCV C型肝炎
- 梅毒
です。
これらは全て病気を持っている患者の血液に触れ、傷口や粘膜などから他者に感染していきます。
血液感染する病気は、最悪、命にも関わるとても危険なもののためめ介護職員や看護師はこれらの感染者を把握し自分たちの身体を守っています。
感染症罹患者だけではなく全ての利用者様に対して出血している場合は必ず手袋を着用します。
血液の感染症は本当に危険です。
在宅介護をされている方も血液の取り扱いには十分注意してください。
血液の感染症対策
一番重要なことが、他者の血液に触れないことです。
とはいえ高齢者が他者の血液を触れることはほとんどないでしょう。
介護施設では血液の感染症にかかっている方が入浴される場合は、最後に入浴して頂くか、一度湯船のお湯を抜いてから他者に入浴して頂く施設や事業所があります。
目に届かない部分から出血している可能性があるため、こうした徹底した感染対策をしているわけです。
2.尿路感染症
高齢者の多くはおむつを使用しています。介護施設に入所している方は毎日入浴することが難しいため、尿路感染はとても多い感染症です。
尿路感染症とは名前の通り尿を通る路(みち)にウィルスや細菌などが入る感染症です。その中でも多いものが大腸菌です。
尿路感染症に罹ると
- 尿の色が茶色や黒っぽくなることがある
- 尿臭が強くなる
- 熱が出る
といった特徴があります。
反対に熱が出ているのに咳や鼻汁がでることは少ないため、私たち介護士も何となく気づくことが多いものです。
尿路感染は男性よりも女性の方かかりやすいのが特徴です。
尿路感染症の対策
おむつ交換の方に対し入浴時陰部を綺麗に洗うことはもちろんですが、おむつ交換の時に泡石鹸で洗い、温かいお湯で流し、綺麗に拭き取り清潔保持に努めることが重要です。
おむつ以外の方にはトイレに行かれた際にウォシュレットを使用したり、それでも気になる場合はおむつ交換の方同様泡石鹸で洗い流すことで予防できます。
他には水分をたくさん摂り、排尿を促し細菌を排出することでも予防はできます。
3.季節的な感染症
季節の感染症には誰しも一度は聞いたことがあるであろう
- インフルエンザ
- ノロウィルス
があります。
季節の感染症は現場の介護職員が嫌がり、非常に厄介な感染症と言えます。何となくお分かりになると思いますが
- 高熱
- 嘔吐
- 下痢
といった症状を繰り返すことが特徴です。
若い方でもかなり苦しい症状で、免疫力の下がった高齢者の場合は命をも脅かすウィルスです。
季節的感染症の介護施設の対策
介護施設では複数の方が同一の部屋の場合、インフルエンザやノロウィルスだけではなく風邪を引いてしまった方は個室対応にするケースがあります。
これは他者にうつし感染拡大を防ぐために行うものです。
個室対応になると食事・排泄(ポータプルトイレ)も個室で食べる事になります。
また、通院、内服治療、時には点滴も行うこともありますので、利用者様の精神的なケアも必要となります。同じ風邪症状やインフルエンザ、ノロウィルスに罹った方は同部屋になることもあります。
デイサービスの方も要注意!
デイサービス、短期入所を利用されている方は大丈夫!と思っている方。それは違います。
たとえフロアーが違うといえどもウィルスはどこに存在するかなんて分かりません。デイサービスを利用している方が保菌者かもしれません。そのためインフルエンザ流行時期には予防接種を受け重症化しないようにしましょう。
※デイサービス、短期入所の家族の方へは、入所者がインフルエンザやノロウィルスに罹ったことを報告され、利用するかしないかの確認をとる施設もあります。
反対に施設内でインフレエンザが大流行した場合利用をキャンセルして頂く場合もあります。
【自宅で出来る】季節的感染症の対策
季節の感染症を予防するためには「うがい・手洗い」が第一です。その後にアルコール消毒すればさらにいいです!
手洗いは石鹸をつけ
- 指の間
- 爪の周り
- 手首
- 手全体のシワ
に菌が溜まりやすいとされていますので、30秒ほどかけもみ洗いすることをおススメします。
4.皮膚の感染症
皮膚の感染症と聞くと耳なじみがない方も多いと思いますが、実は入所者の中で一番多いのが皮膚の感染症、白癬(はくせん)です。
白癬(はくせん)とは聞慣れない方も多いと思いますがとっても身近なものです。それが水虫!
集団生活をされており入浴が週2回の施設が多いため、清潔保持が出来ず白癬にかかる方が多いのです。
特に暑くなる6月頃から増えてことが多く、悪化しやすくなります。
白癬(はくせん)の対策
白癬の対策は清潔保持が大切です。
そのため入浴日以外は足浴(足だけ洗う事)することをおススメします。
その後にタオルで拭きドライヤーなどで良く乾かし、白癬用の薬を塗りましょう。入浴後はすぐに靴下を履かず、汗が引いてきたら靴下を履くようにします。
足だけではなく手の白癬の方もいますが同様の事を行いましょう。
デイサービス、短期入所の方も注意
共同の浴室を使用されるため感染してしまう事もあります。そのためデイサービスや短期入所を利用しているから大丈夫と思わず、観察することで早期発見し白癬が軽く済むことになります。白癬の感染力は強いので注意してください。
白癬が悪化すると、皮膚から菌が入り蜂窩織炎(ほうかしきえん)などにも罹ってしまいます。蜂窩織炎になると足が腫れ、痛みを伴い高熱がでることもあります。
疥癬(かいせん)
皮膚の感染症には白癬のほかに疥癬(かいせん)といわれる感染症もあります。
ビゼンダニが皮膚に寄生する感染症です。
介護施設での感染が多く人から人へ感染するため利用者様だけではなく介護者も注意しなければなりません。
感染すると発疹や強い痒みがあります。疥癬用の塗薬か内服で治療することができます。
正直疥癬は本当に厄介です。
熱や乾燥に弱いため選択に出す場合は熱湯に浸けてから洗濯するようにしましょう。
疥癬の対策
介護者は疥癬の方とかかわる場合は、使い捨て手袋を使用し、できれば使い捨てエプロンを使用してください。
薬を塗る前には入浴し、個人用のタオルを使用しましょう。
白癬同様デイサービス、短期入所利用の方は注意!
疥癬の利用者様がでた時には帰宅後、数週間は皮膚の観察を行い、異常がでた場合は受診しましょう。他の家族の方を守るためにも大切な事です。
強い痒みは本当に辛いですもんね。
まとめ
今回は代表的な感染症を紹介しましたが他にも数多くあります。
感染症にかからないためにまず予防が第一です。
実際に紹介した感染症に罹ってしまうと高齢者は辛く、介護者も大変です。そのためにまずは予防し、「おかしいな」「いつもと違うな」と思ったら早めに受診し重症化しないようにしてください。
また、介護施設を利用される方は皆リスクがあることを忘れないでください。
デイサービス、短期入所を利用される方も危険という事を!